マイクロ・テスラコイル(共振変圧器)の実験 |
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●コアが閉じているのになぜ磁束が漏れるんだ〜?! さて、コアが閉じているのになぜ磁束が漏れるのか。 自分の感覚としてはそう思えない、信じたくないというのが一般的な感覚と思われます。 1.予備実験(非共振の場合) それならば、まず最初に皆様の一般的な感覚を満足してもらいましょう。 つまり、下記のようなコアが閉じたトランスで磁束が漏れないことを確認すれば、あなたの感覚はとりあえず満足してもらえるわけですね! 早速そのような結果を出してみましょう。 テストには、下記のようなインバータ回路と、磁路の閉じたトランスを用います。 |
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写真1 テストするインバータ回路 | 写真2 磁束検出コイルを写真のように取り付ける | ||
上記の写真から、この実験対象のトランスは、コアが閉じているのが良くわかりますね。 次に実験装置はこれ。 |
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図1 磁束の測定装置 |
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つまり、磁束検出コイルによって、トランスの中心コアを流れる磁束を測定するわけです。 さて、C4を取り去って二次側回路を共振させない状態で磁束の状態を測定してみましょう。 結果は以下のとおりです。 |
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写真3 波形は4つともほぼ同じ |
写真4 比較のため波形を重ねてみた |
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磁束は全く漏れていませんねー。 つまり、磁束は以下のように、閉じたコアからは漏れてないという結果が得られました。このトランスはごく普通のトランスだった、ということになりますね。
これで安心してください。あなたの直感は間違っていなかった! ●上記の実験の実験条件 共振を発生させないため、低めの周波数で測定。 測定条件:管電流2mA 周波数30kHz(C4は取り除く) 2.共振変圧器の実験(二次側共振させる) 今度はC2を直結してC4を取り付け、二次側回路を共振させてみましょう。するとどうでしょう。あら不思議! ●実使用条件に近いところで測定する 測定条件:管電流6mA 周波数60kHz 予め、二次側回路の共振周波数は約70kHzであることを確認してある |
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写真5 波形がずれている?! |
写真6 比較のため波形を重ねてみた |
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あれれー、波形がずれて来ました。磁束検出コイルの電圧が大きく異なっているわけです。これは磁束が大きく漏れだしているとしか考えられませんねー。 つまり、磁束は以下のように、閉じたコアからでも漏れるという結果が得られました。なんじゃコリャ?!でしょう。 このトランスは磁気漏れ変圧器に変身してしまったのです。 この場合の磁束図は下記のようになります。
不思議だと思いませんか?これが共振変圧器の世界なわけです。 共振変圧器は、歴史を遡ればニコラ・テスラのテスラ・コイルに始まります。しかし、共振変圧器は長いこと歴史から忘れ去られた存在でした。それが現代に蘇えりました。 ニコラ・テスラの共振変圧器は現代流にリファインされ、そして、シングルモード・テスラ・コイルとして皆さんのノートパソコンの液晶の脇にひっそりと納まっています。 あまりにも小さいので気づかない人も多いでしょうね。しかし、ニコラ・テスラは遍在するのです。
負荷の液晶パネル APPLE Power Book GV SAMSUNG LT141X7-124 |
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