平成8年度通産省関東通産局
技術改善費補助金交付
補助事業研究結果発表
調相結合トランスを応用した
熱陰極蛍光灯用インバータに関する研究
株式会社テクノリウム
代表取締役 牛嶋昌和
(原文のまま掲載しておりますので、本研究発表の内容には一部誤りが含まれております。
詳しいことは末尾のコメントをご参照ください。)
遊離インダクタンスについて
従来のリケージインダクタンスについては集中定数性リケージインダクタンスと定義するべきであろう。
一方、遊離インダクタンスを分布定数性リケージインダクタンス、と定義するのが良いかと思う。
分布定数性が表れる条件は、二次巻線に寄生容量が存在して遅延回路を形成していたり、巻線方向に磁気的に漏れやすい条件が分布していたりすることである。
そのような分布定数性の性質が現れたり消えたりすることを遊離インダクタンスの出現と呼ぶことにしている。
遊離インダクタ効果について
上記のような分布定数性がトランスの二次巻線に生じると、トランスの変換効率が急に上昇する。
このことを遊離インダクタ効果と呼んでいる。
磁束が自由になることによってなにか起こるのだろう。(コアロスが均等に分布するとか)
効率の比較を見ていただきたい。
一般の(と言われている)薄型トランスにも同様の効果は認められる。
ただし、負荷が軽く変換電力が小さい場合はこの効果が現れない。
負荷が重く、変換電力が大きくなるにしたがって遊離インダクタ効果が現れ、トランスの変換効率が急速に向上する(テクノリウム製のトランスに近づく)様子が顕著に表れている。
二次巻線の共振について
後に、1/2λではなく、1/4λであることがわかり、資料は訂正された。(図10)
結合率mについて
結合係数Kではない。
一次巻線と二次巻線を通過する錯交磁束と漏れ磁束の比には適当な用語が割り当てられていない。
二次巻線に容量性の負荷が存在すると錯交磁束が多くなる。
その結果結合が強くなるのだが、このような説明のためには「有効磁束比」ともいえるような数値が必要である。
結合係数kは自己インダクタンスと励磁インダクタンスとの比なので磁束の漏れに関係なくほぼ一定なものなので、有効磁束比の検討には使えない。
容量性引き込みがをどう説明するか悩むため、本研究では結合率という言葉を用いた。
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