製品開発のエピソード
テクノリウムのインバータの開発小話 世界に先駆け、巻線型では圧電型を超える薄型を実現しました テクノリウム製インバータの最大のライバルは圧電トランス/インバータでした
一時は、これからのインバータは全て圧電型になり、巻線型は消えてなくなる、とまで言われたのですが、ところがどっこい、現実は巻線型が主流です。 なぜか?!
しかし、調相結合トランス型インバータという強力なライバルが登場して、常識を破る変換効率(当時の従来型トランスよりも20%以上高効率)を達成し、そのうえ超小型であるところから、圧電インバータとは市場で互角に勝負するどころか、調相結合トランスとそのコピー品が圧電型インバータを圧倒してしまったのです。 (コピー品が市場を席巻しているところが悲しいが…(-_-) ) とにかく、当時、圧電型が主流になるだろうという多くの専門雑誌、電子系マスコミの予測を大きく裏切って、小型インバータの世界は調相結合トランス型インバータが天下を取ったことはまぎれもない事実です。 現に、圧電インバータの最近の状況は、「圧電トランス/インバータ市場の徹底研究 2000年版」を見てもらえればわかるとおり、頭打ちだそうです(^^)v 当時、私をいじめたマスコミ様、当時の見識のなさを今こそ反省していただきたいのですが・・・・。 (雑誌・記事の記者は「巻線型がなくなる」なんて気楽に書いているかもしれないけど、その影響で私たちのようなベンチャー企業にどれだけのダメージが生じていたのかわかっているのでしょうか。銀行などの評価も悪くなるし、ベンチャーキャピタルにもだめだろ、なんて評価されるし、被害は甚大だったんですよ!救ってくれたのは通産省の電子技術総合研究所です。感謝感謝。)ところで、圧電インバータや圧電トランスが1995年以降になって急に製品開発が進んだのは、実は圧電トランスの基本特許を持つローゼンの特許が切れ始めたからなんですね。(ローゼンさんカワイソウ) 調相結合トランス型インバータとは、小型に変形したトランスでも大型の閉磁路トランス並みの性能が出せるという技術で、弊社が1993年に発明したものです。 当時は、こんな小さいトランスで性能が出せるわけがないと、だれも生産に協力をしてくれないというつらい思いをしました。 そこのところに救世主のごとく最初に協力してくれたのがミヨタ株式会社でした。 私たちはミヨタと共同でインバータを開発し、やっとのことで初めての量産にこぎつけたわけです。 採用第一号はセガエンタープライゼズのゲームギアのアメリカ版ジェネシスでした。 いきなり100万個も出荷する快挙でした。 その後、カシオやシャープのPDA、液晶テレビやワープロ向けにセールスをしたのですが、実績を気にするのです。 え゛っ、セガの100万個って実績じゃぁないんですか?!って聞いたら、「所詮ゲーム機じゃあないか。おもちゃじゃ実績にならない・・」って、 セガが聞いたら怒り出すようなことを言われたわけです。 実績って何ですか?!とにかく使ってみて下さいって。 これは今になってわかったことですが、事故率・故障率が従来製品の1/30〜1/50なんです。(バラストコンレス方式の安全性→) 早く信じて使ってくれれば良かったのに・・・・。
弊社製品は現在世界中のノートパソコン、液晶モニター、PDA、デジカメなどに採用されております。
なお、一般のユーザーの方で、白金製作所製またはエレバム製の超小型インバータ回路をお試しになりたい方がいらっしゃいましたら以下のサイトをご覧下さい。
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